コラム
建材
屋根材の基礎知識と選び方!種類ごとの特徴や耐用年数を詳しく解説
2021.05.22
「自宅に合う屋根材を知りたい」
「屋根材ごとの特徴や耐用年数が知りたい」
といった理由で、屋根材について調べている方もいるでしょう。
屋根材は住まいの快適性や安全性に直結する重要な建材であり、慎重に選ぶことが大切です。
そこで今回は、住宅に使用される代表的な屋根材の種類と特徴、耐用年数などを解説します。ぜひ参考にしてください。
戸建て住宅に用いられる屋根材にはさまざまな種類があります。
ここでは、主要な屋根材6種類をピックアップして、特徴や耐用年数などを解説します。
住宅に用いられる代表的な屋根材であり、単価が安く、デザインが多いといった理由から人気があります。また、素材の重量が軽いことから、住宅に負荷をかけにくく、耐震性を保ちやすいことも特徴の一つです。
ただし、定期的な屋根塗装によるメンテナンスが必要であるほか、劣化や災害の影響で割れる可能性があります。
セメントを主原料としているため、さまざまな形状があり、粘土瓦より安価であることがメリットです。また、断熱性や防音性に優れています。
しかし、粘土瓦と比較して耐用年数が短く、塗装によるメンテナンスが必要です。
なお、セメント瓦は大半が生産終了となっているため、新しく採用するのはむずかしいといえるでしょう。
粘土を主原料としていることから、耐久性が高いことが最大の特徴です。塗装は必要ありませんが、必要に応じて点検・メンテナンスをすれば50年以上の耐用年数が期待できます。
また、粘土瓦は1枚ずつ施工していくため、一部が破損しても補修しやすいことや、防音性・断熱性に優れていることなどもメリットです。
ただし、単価が高く施工費用が高額になりやすいことや、1枚あたりの重量が重いため、建物の耐震性が低下しやすいことなどが注意点です。
メッキ加工されていることで、金属素材でありながらサビにくく、防水性やデザイン性にも優れています。
ただし、サビにくいとはいえ、屋根塗装などの定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスをしないまま放っておくと、サビの原因になって劣化してしまいます。
なお、薄く軽量の素材であることから、耐震性に優れている反面、防音性が低いこともデメリットといえるでしょう。
あまり馴染みのない屋根材かもしれませんが、薄くて加工しやすく、サビや割れが発生しないことが特徴です。また、シート状でやわらかい素材となっていることから、複雑な形状の屋根にも施工しやすいといえます。
ただし、軽量であることから、強風によって剥がれが発生しやすかったり、湿気に弱くカビが発生したりする可能性があることが注意点です。
また、軽量であることから耐震性にも優れています。
しかし、トタンは水に弱く劣化によってサビが発生しやすいうえに、ほかの屋根材と比較して耐用年数が短いことがデメリットです。また、断熱性や防音性が低く、塗装によるメンテナンスも必要であることから、屋根材としての機能性は低いといえるでしょう。
屋根は住宅の美観や住環境の快適性にかかわる建材であるため、慎重に選びたいという方が多いでしょう。
ここまで、さまざまな屋根材の特徴や耐用年数を解説しましたが、「種類ごとの違いはわかったけれど、どのように選べばいいのかわからない」と悩む方も少なくありません。
そこで、屋根材選びのポイントを解説します。
材料そのものに価格差があるのはもちろん、選ぶ屋根材によって工事費用にも差が生じるため、予算に合った屋根材を選ぶことがポイントの一つです。
ただし、価格だけに注目して安価な屋根材を選ぶと、メンテナンスコストがかかって将来的な費用負担が大きくなる可能性があります。
そのため、屋根材を選ぶときは、初期費用とメンテナンスコストに注目して、最適なものを選択するようにしましょう。
屋根材の耐用年数は価格に比例する傾向にあり、耐用年数が長い屋根材は、単価が高くなることが一般的です。しかし、初期費用が高くなったとしても、耐用年数が長ければメンテナンスコストを抑えられる可能性があります。
また、屋根は住まいを風や雨から守る部分であるため、快適な住環境を長く維持するという意味でも耐用年数は重要なポイントとなります。
そのため、屋根材を選ぶときは、耐震性の高さにも注目してみましょう。一般的に、軽量な屋根材は、揺れや倒壊のリスクを抑えやすいとされています。
しかし、住宅そのものも強度によっても耐震性は変わるので、屋根材は一つの要素として、住まい全体で耐震性について考えるのがおすすめです。
たとえば、日本瓦を使用すると和吸うな印象になる一方、ガルバリウム鋼板を採用するとモダンでスタイリッシュな印象になりやすいでしょう。
また、屋根材の種類だけでなく、形状や色合いによっても印象が変わるため、住まい全体のバランスを意識してどのような外観にしたいかを考えるのがおすすめです。
屋根材を選ぶうえで、どのようなポイントを意識すべきか解説しました。
現在、屋根材選びを進めている方のなかには、
「デザイン性の高い屋根材を選びたい」
「将来的にかかるコストも意識して選びたい」
など、すでに重視すべきポイントが決まっている方もいるでしょう。
ここでは、目的別のおすすめの屋根材を解説します。
ガルバリウム鋼板は薄い金属のスタイリッシュな見た目が特徴であり、シンプルでモダンなテイストの住宅に合います。一方、アスファルトシングルはデザイン性の高い商品が多いため、オリジナリティやこだわりを持ったデザインを選びたい方に適しているでしょう。
ただし、どちらの屋根材も定期的なメンテナンスが必要である点には注意が必要です。
野経済研究所が実施した「2021年度国内屋根材市場における素材別シェア」によると、屋根材のシェア率は以下のとおりとなっています。
・金属屋根(ガルバリウム鋼板など):63.2%
・セメント系瓦(スレート屋根など):15.0%
・粘土瓦:13.4%
・アスファルトシングル:5.6%
・石粒系金属:2.9%
参考:株式会社矢野経済研究所
以上のような結果となっており、ガルバリウム鋼板やスレートのシェアが高いことがわかります。人気のある屋根材は種類が多かったり、施工できる業者が多かったりすることがメリットです。
どちらの屋根材も素材の価格に対して、耐用年数や耐震性などが優れているため、施工後の満足度が高い屋根材となっています。
たとえば、スレート屋根は費用が安いうえに、耐用年数がある程度長いことからコストパフォーマンスが高いといえます。一方、ガルバリウム鋼板はスレートよりも単価が高い傾向にあるものの、耐用年数が長いためコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
どちらの屋根材もメンテナンスが必要ですが、初期費用とメンテナンスを加味しても、費用対効果が十分にある屋根材だといえるでしょう。
粘土瓦は耐用年数が50年以上と非常に長く、さらに屋根材自体のメンテナンスは不要であるため、数ある屋根材のなかでもとくに耐久性に優れているといえます。
また、ガルバリウム鋼板は定期的なメンテナンスが必要ですが、耐用年数が30〜40年となっているため、耐久性に優れているといえるでしょう。
トタンは、ほかの屋根材と比較して素材が安価であり、施工費用も安く抑えられます。
ただし、耐久性が高くないため、施工後に短期間で補修や交換が必要になる可能性があります。
屋根材はさまざまな種類があり、「どのような屋根材を採用したいか」によって選ぶことが大切です。
ただ、屋根の形状によって、おすすめの屋根材が変わってくるため、屋根の形状も意識しながら屋根材を選ぶとより失敗しにくくなるでしょう。
ここでは、屋根の形状ごとに、どのような屋根材がおすすめかを解説します。
切妻屋根なら、基本的にどの屋根材を採用しても問題ありませんが、多くの住宅で採用されていることもありデザインが単調になりがちです。そこで、切妻屋根でデザインを工夫するなら、日本瓦やアスファルトシングル、ガルバリウム鋼板などを採用するとよいでしょう。
また、切妻屋根は屋根裏の空間を利用して、ロフトや物置を作るケースが多いため、断熱性の高いスレートを採用するのもおすすめです。
切妻屋根と同様に、主流の屋根の形状であり、さまざまなデザインのテイストに合います。
寄棟屋根は基本的にどの屋根材を採用しても問題ありませんが、施工しやすく、種類の多いガルバリウム鋼板やスレート屋根を採用するのがおすすめです。
シンプルな形状をしているため、施工費用を抑えやすいことが特徴であり、大容量の太陽光パネルを設置したい方にもおすすめです。
片流れ屋根は雨漏りのリスクが高いことから、防水性を高めることが重要です。そのため、防水工事や通気層を設けやすいスレート屋根などが適しているといえるでしょう。
屋根材選びを進めている方の中には、新築ではなく、リフォームを検討している方もいるでしょう。
そこで、屋根の主なリフォーム方法を3つ解説します。
屋根塗装を行うことで、屋根の美観を回復したり、屋根の防水性を高めたりする効果があります。
しかし、屋根塗装は屋根の劣化や破損を修復するというよりも、現状維持や軽い劣化を補修するのに適した方法です。そのため、すでに雨漏りしていたり、屋根材自体が大きく劣化していたりする場合には適していません。
適切なタイミングで塗り替え工事を行うと、屋根をの劣化を防止でき、寿命を伸ばすことができます。
屋根材自体の劣化は進んでいるものの、下地の劣化は進んでいないという場合に適した方法であり、既存の屋根材を撤去しない分、葺き替えよりも施工費用を抑えられます。
ただし、下地まで傷んでいると施工できないので、カバー工法が可能かどうかは業者に点検してもらって判断するのがおすすめです。
既存の屋根材と下地を撤去し、新しい下地と屋根材を施工することから、工数がかかるうえに、撤去費用や新しく設置する下地や屋根材の材料費などがかかるので、費用面の負担が大きいのがデメリットです。
ただし、長年メンテナンスしておらず、雨漏れが発生しているような深刻な劣化症状の屋根にも対応可能で、屋根材の種類も限定されません。
今回は、屋根材の種類について解説しました。
住宅に用いられる屋根材の代表的なものは6種類あり、屋根材によって特徴や耐用年数などが異なります。そのため、どのような屋根材を採用したいかによって、自宅に合う種類を選ぶようにしましょう。
なお、屋根の形状やリフォーム方法によっても、適した屋根材が異なります。
ぜひ今回の記事を参考に、自宅に合う屋根材選びを進めてみてください。
「屋根材ごとの特徴や耐用年数が知りたい」
といった理由で、屋根材について調べている方もいるでしょう。
屋根材は住まいの快適性や安全性に直結する重要な建材であり、慎重に選ぶことが大切です。
そこで今回は、住宅に使用される代表的な屋根材の種類と特徴、耐用年数などを解説します。ぜひ参考にしてください。
【全6種類】屋根材の特徴や耐用年数
戸建て住宅に用いられる屋根材にはさまざまな種類があります。
ここでは、主要な屋根材6種類をピックアップして、特徴や耐用年数などを解説します。
スレート
スレートと呼ばれる屋根材は、セメントに繊維素材を混ぜてたものを、薄い板状に加工したものです。住宅に用いられる代表的な屋根材であり、単価が安く、デザインが多いといった理由から人気があります。また、素材の重量が軽いことから、住宅に負荷をかけにくく、耐震性を保ちやすいことも特徴の一つです。
ただし、定期的な屋根塗装によるメンテナンスが必要であるほか、劣化や災害の影響で割れる可能性があります。
費用相場(1㎡あたり) | 5,000〜8,000円 |
耐用年数(定期的にメンテナンスしたときの屋根材自体の耐用年数) | 15〜35年 |
セメント瓦
セメント瓦とは、セメントと川砂を混ぜて作られている屋根材であり、瓦屋根の種類の一つです。セメントを主原料としているため、さまざまな形状があり、粘土瓦より安価であることがメリットです。また、断熱性や防音性に優れています。
しかし、粘土瓦と比較して耐用年数が短く、塗装によるメンテナンスが必要です。
なお、セメント瓦は大半が生産終了となっているため、新しく採用するのはむずかしいといえるでしょう。
費用相場(1㎡) | 6,000〜8,000円 |
耐用年数(定期的にメンテナンスしたときの屋根材自体の耐用年数) | 20〜40年 |
粘土瓦
粘土瓦は、粘土を主原料としている瓦屋根の一種であり、昔から住宅の屋根材として使用されています。粘土を主原料としていることから、耐久性が高いことが最大の特徴です。塗装は必要ありませんが、必要に応じて点検・メンテナンスをすれば50年以上の耐用年数が期待できます。
また、粘土瓦は1枚ずつ施工していくため、一部が破損しても補修しやすいことや、防音性・断熱性に優れていることなどもメリットです。
ただし、単価が高く施工費用が高額になりやすいことや、1枚あたりの重量が重いため、建物の耐震性が低下しやすいことなどが注意点です。
費用相場(1㎡) | 6,000〜10,000円 |
耐用年数(定期的にメンテナンスしたときの屋根材自体の耐用年数) | 50年〜 |
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板はアルミニウム5%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%で構成されているアルミ亜鉛合金メッキ鋼板です。メッキ加工されていることで、金属素材でありながらサビにくく、防水性やデザイン性にも優れています。
ただし、サビにくいとはいえ、屋根塗装などの定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスをしないまま放っておくと、サビの原因になって劣化してしまいます。
なお、薄く軽量の素材であることから、耐震性に優れている反面、防音性が低いこともデメリットといえるでしょう。
費用年数(1㎡) | 6,000〜10,000円 |
耐用年数(定期的にメンテナンスしたときの屋根材自体の耐用年数) | 30〜40年 |
アスファルトシングル
アスファルトシングルとは、ガラス繊維の基材にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付けてシート状にしたものです。あまり馴染みのない屋根材かもしれませんが、薄くて加工しやすく、サビや割れが発生しないことが特徴です。また、シート状でやわらかい素材となっていることから、複雑な形状の屋根にも施工しやすいといえます。
ただし、軽量であることから、強風によって剥がれが発生しやすかったり、湿気に弱くカビが発生したりする可能性があることが注意点です。
費用相場(1㎡) | 3,500〜12,000円 |
耐用年数(定期的にメンテナンスしたときの屋根材自体の耐用年数) | 20〜30年 |
トタン屋根
トタン屋根は鉄を主材として亜鉛メッキを施した屋根材であり、とにかく安価であることが特徴です。また、軽量であることから耐震性にも優れています。
しかし、トタンは水に弱く劣化によってサビが発生しやすいうえに、ほかの屋根材と比較して耐用年数が短いことがデメリットです。また、断熱性や防音性が低く、塗装によるメンテナンスも必要であることから、屋根材としての機能性は低いといえるでしょう。
費用相場(1㎡) | 5,000〜6,000円 |
耐用年数(定期的にメンテナンスしたときの屋根材自体の耐用年数) | 10〜20年 |
屋根材選びのポイント
屋根は住宅の美観や住環境の快適性にかかわる建材であるため、慎重に選びたいという方が多いでしょう。
ここまで、さまざまな屋根材の特徴や耐用年数を解説しましたが、「種類ごとの違いはわかったけれど、どのように選べばいいのかわからない」と悩む方も少なくありません。
そこで、屋根材選びのポイントを解説します。
価格
さまざまな種類がある屋根材ですが、選択する屋根材によって施工費用が変わります。材料そのものに価格差があるのはもちろん、選ぶ屋根材によって工事費用にも差が生じるため、予算に合った屋根材を選ぶことがポイントの一つです。
ただし、価格だけに注目して安価な屋根材を選ぶと、メンテナンスコストがかかって将来的な費用負担が大きくなる可能性があります。
そのため、屋根材を選ぶときは、初期費用とメンテナンスコストに注目して、最適なものを選択するようにしましょう。
耐用年数
耐用年数を意識して、屋根材を選ぶのもポイントの一つです。屋根材の耐用年数は価格に比例する傾向にあり、耐用年数が長い屋根材は、単価が高くなることが一般的です。しかし、初期費用が高くなったとしても、耐用年数が長ければメンテナンスコストを抑えられる可能性があります。
また、屋根は住まいを風や雨から守る部分であるため、快適な住環境を長く維持するという意味でも耐用年数は重要なポイントとなります。
耐震性
屋根材は建物の構造躯体の上部に施工することから、地震の影響を受けやすいです。そのため、屋根材を選ぶときは、耐震性の高さにも注目してみましょう。一般的に、軽量な屋根材は、揺れや倒壊のリスクを抑えやすいとされています。
しかし、住宅そのものも強度によっても耐震性は変わるので、屋根材は一つの要素として、住まい全体で耐震性について考えるのがおすすめです。
デザイン
屋根材は住宅の外観を構成する要素であり、選択する屋根材のデザインによって住まいの印象が大きく変わります。たとえば、日本瓦を使用すると和吸うな印象になる一方、ガルバリウム鋼板を採用するとモダンでスタイリッシュな印象になりやすいでしょう。
また、屋根材の種類だけでなく、形状や色合いによっても印象が変わるため、住まい全体のバランスを意識してどのような外観にしたいかを考えるのがおすすめです。
目的別のおすすめの屋根材
屋根材を選ぶうえで、どのようなポイントを意識すべきか解説しました。
現在、屋根材選びを進めている方のなかには、
「デザイン性の高い屋根材を選びたい」
「将来的にかかるコストも意識して選びたい」
など、すでに重視すべきポイントが決まっている方もいるでしょう。
ここでは、目的別のおすすめの屋根材を解説します。
デザイン性の高い屋根材
まず、デザイン性の高い屋根材を選びたいと考えている方は、ガルバリウム鋼板またはアスファルトシングルがおすすめです。ガルバリウム鋼板は薄い金属のスタイリッシュな見た目が特徴であり、シンプルでモダンなテイストの住宅に合います。一方、アスファルトシングルはデザイン性の高い商品が多いため、オリジナリティやこだわりを持ったデザインを選びたい方に適しているでしょう。
ただし、どちらの屋根材も定期的なメンテナンスが必要である点には注意が必要です。
人気の高い屋根材
人気がある屋根材を選びたい方は、スレートやガルバリウム鋼板がおすすめです。野経済研究所が実施した「2021年度国内屋根材市場における素材別シェア」によると、屋根材のシェア率は以下のとおりとなっています。
・金属屋根(ガルバリウム鋼板など):63.2%
・セメント系瓦(スレート屋根など):15.0%
・粘土瓦:13.4%
・アスファルトシングル:5.6%
・石粒系金属:2.9%
参考:株式会社矢野経済研究所
以上のような結果となっており、ガルバリウム鋼板やスレートのシェアが高いことがわかります。人気のある屋根材は種類が多かったり、施工できる業者が多かったりすることがメリットです。
コストパフォーマンスの高い屋根材
コストパフォーマンスの高い屋根材を選ぶなら、人気のある屋根材と同様に、ガルバリウム鋼板やスレートがおすすめです。どちらの屋根材も素材の価格に対して、耐用年数や耐震性などが優れているため、施工後の満足度が高い屋根材となっています。
たとえば、スレート屋根は費用が安いうえに、耐用年数がある程度長いことからコストパフォーマンスが高いといえます。一方、ガルバリウム鋼板はスレートよりも単価が高い傾向にあるものの、耐用年数が長いためコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
どちらの屋根材もメンテナンスが必要ですが、初期費用とメンテナンスを加味しても、費用対効果が十分にある屋根材だといえるでしょう。
耐久性に優れている屋根材
屋根材に耐久性の高さを求めるなら、粘土瓦やガルバリウム鋼板がおすすめです。粘土瓦は耐用年数が50年以上と非常に長く、さらに屋根材自体のメンテナンスは不要であるため、数ある屋根材のなかでもとくに耐久性に優れているといえます。
また、ガルバリウム鋼板は定期的なメンテナンスが必要ですが、耐用年数が30〜40年となっているため、耐久性に優れているといえるでしょう。
初期費用を抑えられる屋根材
耐久性やデザイン性よりも、とにかく初期費用を抑えたいと考えている方もいるでしょう。その場合、トタンがおすすめです。トタンは、ほかの屋根材と比較して素材が安価であり、施工費用も安く抑えられます。
ただし、耐久性が高くないため、施工後に短期間で補修や交換が必要になる可能性があります。
屋根の形状ごとのおすすめの屋根材
屋根材はさまざまな種類があり、「どのような屋根材を採用したいか」によって選ぶことが大切です。
ただ、屋根の形状によって、おすすめの屋根材が変わってくるため、屋根の形状も意識しながら屋根材を選ぶとより失敗しにくくなるでしょう。
ここでは、屋根の形状ごとに、どのような屋根材がおすすめかを解説します。
切妻屋根
家の中心線から、山型に二方向へ屋根が落ちるデザインをしている切妻屋根は、棟が1本しかないため雨漏りしにくく、シンプルな形状でメンテナンスしやすいことが特徴です。切妻屋根なら、基本的にどの屋根材を採用しても問題ありませんが、多くの住宅で採用されていることもありデザインが単調になりがちです。そこで、切妻屋根でデザインを工夫するなら、日本瓦やアスファルトシングル、ガルバリウム鋼板などを採用するとよいでしょう。
また、切妻屋根は屋根裏の空間を利用して、ロフトや物置を作るケースが多いため、断熱性の高いスレートを採用するのもおすすめです。
寄棟屋根
寄棟屋根は、4つの屋根面によって構成されており、重厚感のある見た目にできる屋根の形状です。切妻屋根と同様に、主流の屋根の形状であり、さまざまなデザインのテイストに合います。
寄棟屋根は基本的にどの屋根材を採用しても問題ありませんが、施工しやすく、種類の多いガルバリウム鋼板やスレート屋根を採用するのがおすすめです。
片流れ屋根
片流れ屋根は、棟から1方向に向かって傾斜しているデザインとなっており、屋根が1面でできています。シンプルな形状をしているため、施工費用を抑えやすいことが特徴であり、大容量の太陽光パネルを設置したい方にもおすすめです。
片流れ屋根は雨漏りのリスクが高いことから、防水性を高めることが重要です。そのため、防水工事や通気層を設けやすいスレート屋根などが適しているといえるでしょう。
屋根リフォームの方法3選
屋根材選びを進めている方の中には、新築ではなく、リフォームを検討している方もいるでしょう。
そこで、屋根の主なリフォーム方法を3つ解説します。
屋根塗装
屋根リフォームのなかで、費用を抑えやすい方法が屋根塗装です。屋根塗装を行うことで、屋根の美観を回復したり、屋根の防水性を高めたりする効果があります。
しかし、屋根塗装は屋根の劣化や破損を修復するというよりも、現状維持や軽い劣化を補修するのに適した方法です。そのため、すでに雨漏りしていたり、屋根材自体が大きく劣化していたりする場合には適していません。
適切なタイミングで塗り替え工事を行うと、屋根をの劣化を防止でき、寿命を伸ばすことができます。
メリット | 全面的なリフォームの中では安価 施工期間が比較的短い |
デメリット | 劣化や不具合を回復させることはできない 劣化が深刻な屋根には施工できない |
カバー工法
カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる方法のことです。屋根材自体の劣化は進んでいるものの、下地の劣化は進んでいないという場合に適した方法であり、既存の屋根材を撤去しない分、葺き替えよりも施工費用を抑えられます。
ただし、下地まで傷んでいると施工できないので、カバー工法が可能かどうかは業者に点検してもらって判断するのがおすすめです。
実施できる屋根材 | スレート屋根 金属屋根 アスファルトシングル |
メリット | 葺き替えよりも安価 遮熱性や断熱性が向上する |
デメリット | 現状の劣化を修復できるわけではない 劣化状態によっては施工できない 屋根が二重になるので構造躯体へ負荷がかかる |
葺き替え
葺き替え工事は、既存の屋根から新しい屋根へ交換する方法であり、大規模ですが現状の劣化をリセットできることが特徴です。既存の屋根材と下地を撤去し、新しい下地と屋根材を施工することから、工数がかかるうえに、撤去費用や新しく設置する下地や屋根材の材料費などがかかるので、費用面の負担が大きいのがデメリットです。
ただし、長年メンテナンスしておらず、雨漏れが発生しているような深刻な劣化症状の屋根にも対応可能で、屋根材の種類も限定されません。
実施できる屋根材 | 瓦屋根 スレート屋根 金属屋根 アスファルトシングル |
メリット | 劣化をリセットできる 屋根材を選べる |
デメリット | 工期が長い 施工費用が高額 |
まとめ
今回は、屋根材の種類について解説しました。
住宅に用いられる屋根材の代表的なものは6種類あり、屋根材によって特徴や耐用年数などが異なります。そのため、どのような屋根材を採用したいかによって、自宅に合う種類を選ぶようにしましょう。
なお、屋根の形状やリフォーム方法によっても、適した屋根材が異なります。
ぜひ今回の記事を参考に、自宅に合う屋根材選びを進めてみてください。
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